【今日のアロマ】パチュリ

久しぶりにパチュリをゆっくり嗅ぎたくる、そんな時があります。

墨汁のような香り、カビ臭いと言われる香り、写真もローズのようにインスタ映えする訳でもなく、暗い灰色や紫のイメージ。ただ、いつも時代も変わらない本質のようなものを表す香りに思えるのです。

パチュリはシソ科の植物。インドなど暑い地域の雨季に採取されたものが最高品質と言われます。肥沃な大地の栄養分を吸収した葉、そのまま精油を採取せず、乾燥させて、発酵させた香り。生きている植物から採取される香りではなく、乾燥して発酵してから採取されるためアロマテラピーのイメージの香りとはかけなれると思います。

ラベンダーやグレープフルーツのようにアロマディフューザーでシングルオイルで楽しめるものとは違い、パチュリは香水を創る際に少しブレンドすることでより深みがでる香り。パチュリをブレンドした香水は数知れず、マドンナが愛しCDに香りづけしたパチュリの香りは、発売から何年経ってもあの香りを探し求める人は続出。パチュリの香りでマドンナを思い出す方もいるほど⁈

全員に認められなくても自分の魅力に惹かれた方に信頼されればいい、時代が変わっても変わらないもの、そんな「迷いのなさ」をこの香りには感じる。流行りではなく、映えでもなく、ただただ心の奥に響き、何十年経っても記憶に残る香り。

本物の香りに包まれていると、偽物の香りや合成香料の香りを嗅ぐとすぐ分かるようになります。どんなに可愛い瓶に入った香水でもどんな可愛いラッピングがされていても本物の天然精油の香りの前では軽くふっとんでしまう。パチュリのブレンドはそんな経験と自信を積み重ねた本物を知る人に愛される香りなのかもしれません。