アロマテラピーとは
「アロマテラピー」とは、植物の香りやさまざまな働きの力をかりて、心や身体のトラブルを穏やかに回復し、健康増進や美容に役立てていこうという自然療法です。(AEAJ FIRST GUIDEより抜粋)
私も現在は、調香をメインで行なっていますので、基本のアロマテラピーについてあまりお話することはありませんでしたが、もともとはIFA(国際アロマセラピスト資格)を取得していますのでアロマセラピストでもあります。
そのIFA資格取得の勉強の際に、「ホリスティック」という言葉を初めて耳にしました。アロマテラピーの母ともいわれるマルグリットモーリーが提唱した「人間の心、身体、精神、生活スタイルなど様々な方向から不調の原因を探り、その全体の均衡のため生活スタイルのアドバイスも含め、最も有効な精油と方法を選択する」という考え方です。
実はIFA資格試験の際には、実技試験がありますが、その際にも精油選択だけではなく、生活スタイルのアドバイス、そしてホームケアのご提案を行います。
例えば、「肩がだるい」というお悩みがあった場合、どんな精油をブレンドしますか?
私は「肩がだるい」ということだけでは精油選択ができません。なぜならいわゆる肩こりの原因を知りたいから。例えば、座り仕事でパソコンを凝視している、姿勢が悪い、緊張して肩に力が入ってしまう・・・これら別々の原因ですよね。
お一人おひとりにじっくりお話しを伺い、肉体面、精神面から精油の選択を行なっていくのです。これが「個人的処方箋」というマルグリットモーリーが提唱した考え方です。
今回のお悩みでもお食事の回数、内容、飲み物(コーヒーetc)、味付け、アルコール、喫煙、運動、趣味、睡眠、ご性格、生活環境の変化、精神的ストレスなど色々な角度からお伺いして精油を選んでいくのです。1種類ではなく、5〜6種類を香りを確認しながら。
ですので、アロマテラピーをお伝えしたいからこそ「〇〇の時には△△の精油がおすすめ」とは私は簡単にいえないのです。
という私も肩がだるいなと感じます。自分で自分にカウンセリングをしてみましょう。
・パソコン、スマホの見過ぎ・水分量が少ない・食事の偏り(野菜が少ない)・呼吸が浅い・真面目に考えすぎるA型の性格(笑)などでしょうか。
こんな私には、ヒノキ、パイン、レモンブレンドの香り漂うお部屋でゆっくり腹式呼吸を行いたいものです。また、コーヒー以外の水分の摂取、バランスの良い食事、ゆっくりお風呂に浸かる、パソコン作業が続いたら首回しストレッチをするという生活アドバイスも自分にしてみます(笑)。ホームケアはジェルクリームと言いたいところですが手が汚れるのは継続できなそうなので、ロールオンアロマを鎖骨に塗り香りを感じることで呼吸を深める方が、三日坊主にならないかもしれません。
と書きながら実はアロマテラピーで解消できること、というより私の最近の生活スタイルに問題がどうやらありそうです。そんなことに気づいて自然のリズムに戻そうとする、そんなきっかけをくれるのも「アロマ」だと思うのです。
大切にしたいなと思うのは、アロマで何か解決できるわけではなく、自然のリズムを取り戻すための一つのツールであって、アロマの香りを嗅いで幸せを感じたり、回りにも笑顔の伝染が生じたり・・・
成分をつきつめて勉強した私が辿り着いたのは、そんなほわっとしたホリスティックアロマテラピー、アロマだけでなく、それ以外の生活スタイル、考え方、暮らし方を含めた、心のゆとりの大切さなのかもしれません。
日常生活の中に、手軽に本物のアロマテラピーを取り入れ、わたしたち人間が本来持っている「幸せに生きる力」を育んでいただきたい、ひとりでも多くの方が、嗅覚から本能を目覚めさせ、自分自身の心と身体を上手にコントロールできる力を身に着けていただけますことを願っております。